■お米の分量とゴハンの分量3合のお米でつくる海苔巻きについて考えてみましょう。
お米1合は、ちょうど150gの米になります。それを炊くとおよそ330gのごはんになります。
つまり、 3合の米は450gの米=990gのごはん となります。
そして寿司酢(120ml.)を入れてうちわであおぎ、いくらかの寿司酢が蒸発した後の全体量は1080gでした。
これで計算すると3合の米では、一体、何本の海苔巻きができるのでしょうか?
海苔巻きの酢飯の目安
細巻き:酢飯80グラム(海苔は半分)
中巻き:酢飯150グラム(海苔1枚)
太巻き:酢飯250グラム(海苔1枚)
(ちなみに握り1貫の酢飯は20グラム位)
これでいくと、3合の米では、細巻きなら13.5本・中巻きなら7.2本・太巻きなら4.3本です。
1本まるごと食べる恵方巻きの場合は、中巻きにするのが残さず食べられるちょうど良い大きさだと思います。
たくさん食べる食べ盛りのお子様がいる場合は、太巻きがおススメ。
太巻きは300gぐらいまで巻くことができますが、あまり大きいと巻きにくいので最初は250gにしましょう。
米の品種や寿司酢の配合によっても重さが変動するので、これはあくまでも目安です。
■巻き簀(まきす)について①巻き簀の手入れ方法
使い終わったらぬるま湯につけて、亀の子タワシで竹ヒゴに沿って洗います。
ごはん粒がついたら取り除いて、よく乾燥させます。カビやすいので風通しのよいところに干しておきます。
ヒゴが青竹の場合は、ペーパータオルでまいて冷蔵庫に入れると青竹のまま数ヶ月保管できます。
②巻き簀はどちらを向けるのか
巻き簀を開いたときに、はたしてどっち側で巻くのが正しいのだろうと思ったことはありませんか?
これにはいろいろな文献を読みましたが、特に決まりはなくどちらでもいいようです。
ちなみに、寿司屋ではヒゴが平らな面を上にして巻くのが通常です。
ですが、ヒゴが丸い面を上にして巻く人もたくさんいるので、それほど気にしなくても大丈夫。
(これについて何か分かったら追記します。)

■海苔の横位置と縦位置巻き簀の上に海苔をおいたとき・・・・あれ?海苔を良く見ると正方形じゃないわ。どう置くの?
と思ったことあるでしょ~~わたしも初めてつくったときにそう思いました。
海苔の縦位置と横位置には、それぞれ海苔巻きの中身や用途によって使い分けます。
・海苔を縦長に置く『縦巻き』は、海苔巻きの中身が多い場合に使います。
海鮮太巻きや、海苔を2枚つなげてつくる大きな海苔巻きの場合に良いやり方です。
・海苔を横長に置く『横巻き』の場合は、恵方巻きのように1本まるごと食べる場合などに向きます。
口に入れるときの量が少なめになるため食べやすい海苔巻きになります。
ですが、これはあくまで参考なので、気軽に楽しく作ってみるのが一番です!
■江戸前寿司は酢飯に昆布を入れない先日、質問があって記事にも書きましたが、こちらにも載せておきましょう。
伝統的な江戸前寿司は昆布を入れないのが基本と言われています。(大将談)
握り寿司は江戸前なので、酢飯には昆布を入れず、江戸前寿司の太巻きもまた同じです。
反対に、関西地方では昆布を入れた酢飯でつくる海苔巻きや押し寿司が主流です。
恵方巻きは関西から発祥しているので、昆布を入れて炊き上げるのが本式です。
これは文化と伝統の話です。昆布はとっても身体によいもの。
家庭でつくる酢飯には、どんどん昆布を入れて、お寿司を楽しもう!
基本の海苔巻き レシピ材料(3合分=太巻きなら4本・中巻きなら7本)
・米 3合
・寿司酢 120ml. (米酢82ml.・塩18g・砂糖55gで合計120ml.になります)
★酢飯のつくりかたはこちらを御覧ください。・干し椎茸 8枚(椎茸の戻し汁2カップ・醤油大匙1・砂糖大匙1ですが甘めは大匙2)
・干瓢 10g
・卵 4個(砂糖大匙1・塩少々)
・キュウリ 1本を縦に4等分しておく(中巻きの場合は2本つかう)
・海苔(全形) 太巻きなら4枚(中巻なら7枚)
・紅生姜 適量(なるべく国産で無添加のもの)
・手づくり桜でんぶ タラ正味130g(酒大匙1・砂糖小匙1・塩少々)
■作り方■寿司酢を混ぜて酢飯をつくっておきます。(上記の酢飯のつくりかたリンクを参照)
酢飯に昆布を入れたい場合は、ごはんを炊くときに入れる水を計ってあらかじめ準備しておき、
その水に切り込みを入れておいた昆布を入れ、1時間ほどひたした昆布のダシ汁で炊きます。
■手づくり桜でんぶをつくります。
タラは皮をとって3つくらいに切り、耐熱容器に入れて塩とひたひたの水をいれてレンジで3分加熱。
熱いうちに汁を捨てザルに入れて水で洗い、手で割きながら血合いや骨を取り除きます。
水気を切ってからフライパンで酒と砂糖をいれて火にかけお玉で押しながら弱火で炒ります。
ぱらぱらになったら出来上がり。焦げないように注意。手づくりでおいしいです。
■椎茸と干瓢の甘煮をつくります。
干し椎茸はぬるま湯に入れて30分くらいかけて戻します。戻し汁はとっておきます。
柔らかくなったら石づきを切り落とします。
干瓢はサッと洗って塩をふり、手でよくもみ、さらに水洗いして水気を絞り、鍋で3分ほど煮ます。
戻した椎茸と干瓢は、椎茸の戻し汁と調味料を入れた鍋に入れ火にかける。
ひと煮立ちさせたら砂糖と醤油の順に入れて、煮汁がなくなるまで中火で煮詰めます。
椎茸は5ミリくらいの薄切りにし、干瓢は海苔の幅くらいに細長く切ります。
椎茸と干瓢は別々に煮る方法もありますが、ここでは一緒の鍋で作って手軽でおいしく。
■卵焼きをつくります。
フライパンに油をひいて卵液を1/5量くらいづつ入れて焼いていきます。
ふくらんでくる部分を菜箸でつついて気泡をつぶしながら強火で焼きます。
焼いたあとすぐに巻き簀で巻いて形を整えるのが本式ですが、家庭では
卵焼き用のフライパンで焼いて細長く切ればそれで充分です。
■さて、巻いていきます。

・海苔はコンロの直火で軽くあぶると、若干縮みますが良い香りが出ます。
・巻き簀を広げて、海苔をおきます。海苔の位置は縦でも横でもOK。
恵方巻きをつくる場合は横位置がおすすめ!写真は縦位置です。
・海苔は裏と表があり、つるつるした面が表なので、表は下にしておきます。
この巻き簀はちょっと大きめサイズです。巻き簀は海苔の大きささえあれば巻けます。
・酢飯の量は、
中巻きなら150g・太巻きなら250gが目安です。
これは決まりではないので、もちろん200gでもいいのです。ちなみに写真は200gの酢飯です。
・海苔の手前少し(1cmくらい)と向こう側を2cmほど開けて、酢飯をおいていきます。
まずは、数箇所に分けてのせます。
1箇所にまとめてのせてしまうと広げにくくなり、ダンゴのような状態になってしまいます。
■のせた酢飯をひろげます。

・広げるのは、酢水(水100ccに酢を小匙1)を入れた小皿を用意して指をぬらしながら広げます。
指でやるのが苦手な人は、ゴハンがつかないしゃもじで少しづつ広げるという方法もあります。
海苔を破かないように気をつけて酢飯をのせましょう。
・両端まできっちりと酢飯を置くと、端まできれいな海苔巻きになります。
最後に両端を切る場合は、端のことをさほど考えなくても大丈夫。
・酢飯を平らにしていなかったりすると、あとで切ったときに、具が端によってしまいます。
・ごはん粒をつぶさないように、
適度な隙間ができるようにふんわりと巻きます。こうすることで硬い海苔巻きになるのを防ぎます。
あまりきつく巻かずに、ふんわりと。がおいしい海苔巻きの秘訣です。
■具をのせていきます。

・具をのせる場所は、真ん中から少し下です。
酢飯の上に、手で横に直線のくぼみをつけ、その上に具をのせるようにするとやりやすいです。
手前に芯となるキュウリをのせて、卵焼き、でんぶ、しいたけと干瓢、紅生姜をのせます。
芯となるキュウリがあると巻きやすいですね。椎茸と干瓢の甘煮はしっかり汁気を絞ること。
・手前から巻き簀ごと折り上げ、具がずれないように
具を指で押さえながら巻き、
画像の①の酢飯部分を②の酢飯部分に合致させて巻き込むようにします。
あまりきつく巻くと硬い海苔巻きになるので、ふんわりとするような気持ちで巻きます。
・このとき、具を上に積み上げすぎると、切ったときに具が真ん中に来ないことがあるので注意。
・どうしても具が真ん中に来ない~という場合は、具を一番手前において、巻いてみてください。
■最後まで巻き上げます。

・このように、酢飯が少し見えるくらいに巻くと、作りやすくて安心なのではと思います。
こうすると具が端に来てしまうという失敗や、巻き終わりの海苔が足りなくて隙間ができた、
という失敗も少なく、初心者には安心なのではないかしら。
実際は、ここで酢飯が見えていなくても大丈夫です。
ここでは、家庭で作りやすい方法ということに観点をあてて説明しています。
・両端から酢飯がはみでた場合は、ぬれたフキンで押さえて形を整えます。
■巻き終わり。

■海苔巻きの切り方

最後に、海苔巻きを切ります。(恵方巻きの場合は海苔巻きを切らず、恵方を向いて一気に食べます)
海苔巻きを切るときは、最初に半分に切り、さらに半分、そしてまた半分にして、8等分します。
両端を切り落とすときは、残りを7等分します。
包丁の刃を大きく動かすようにして海苔を切ります。
このとき、押すようにして切ると海苔巻きがつぶれるので注意。
切り終わりは、包丁をスッと引くようにして海苔を切り離します。
・海苔巻きの切り方のコツ
①包丁をよく研いでおく。
②ぬれたフキンを4つにたたんで、まな板の端に置き、海苔巻きを切るたびに、包丁に付いたゴハンをフキンに両面を交互に押し付けて拭く。
③それでも切りにくい場合は、切るたびに包丁についたご飯を拭き、包丁を濡らしながら切る。
ということで、完成です。
みなさま、いかがでしたでしょうか!
海苔巻きは大切な日本の文化です。
つくりかたには、多種多様の文化があり、長い歴史の中で変化して、
地域によってつくりやすい方法が残され自然淘汰されてきたようです。
何よりも楽しみながら、自分の海苔巻きのつくりかたをマスターしてください。
それが家庭の味になっていきます。
自分で作れるようになると、お正月、節分、ひな祭りと大活躍です。
ぜひ、家族で友達どうしでワイワイ作って、日本を楽しんでください。
★いろいろな海苔巻きの特集ページはこちら。★このページは、気が付いたことがあったらどんどん追記していきますね。
質問やこんな方法もあるよ~などの話がありましたらメールください。
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