12人にひとりが乳癌になる時代。
北斗さんを心配する時間をすごしているのは私だけではないでしょう。
北斗晶さんの乳癌は、乳頭すぐ下あたりに位置し、
直径2センチでリンパ節転移があり、右乳房全摘出。
わたしの場合は、直径1.8センチでリンパ節転移があり、右乳房全摘出。
北斗さんのステージはまだ公表されていませんが、私の場合はステージ2でした。
北斗さんは、自分で見つけたとのことでしたが、実はわたしも同じ。
定期健診ではなく、自宅のお風呂場で自己触診をしていて分かりました。
お正月とお盆だけは30分という時間をかけてお風呂場で触診するということを習慣にしていたので、
その日も時間をかけて調べたのです。
そして・・・・あるわけがないと思っていたシコリのような硬いものを、一瞬つかんだのです。
そのときの衝撃は今でも忘れません。
自己触診をしているときは、ガンなんてあるわけがないと思っているものです。
そんな保証はないのに、あるわけないと思っているんです。
自分の感覚としては小豆の粒くらいの大きさのものだったように思いますが、
掴んだのは、その一度きり。
そのあとはよく調べても二度と掴めず、
でもあのとき確かに掴んだような気がする・・・・と、
半信半疑で翌日病院へ行ったのです。
鏡で見ても、なんだか「ひきつれ」のような引っ込みがありました。
よく見ないとわからない程度でしたが、まるでエクボのような凹みのように見えるのです。
癌細胞は硬いので、やわらかい乳房のなかにガンが出来ると、
組織の違いなのか、エクボのように見た目にもわかることがあります。
歳だからだと思って見過ごしていたら、今ここに私はいなかったかもしれません。
また、左右の乳房を目をつぶって触ってみると・・・・
やはりガンのある右乳房のほうが若干硬いのです。
それも全体をさわった感覚で、右のほうが硬い。
これは、わたしの乳癌が大きい部分で楕円状に1.8センチあり、
そのほかにも乳房全体に天の川のように細かい癌細胞が散らばっていたせいでしょう。
注意深く触っていくと、かならず異変が分かるものなんです。
自分の身体の声を聴く。
これが大切なんだと実感しました。
そして、
マンモグラフィを撮り、細胞の検査。
小豆の粒くらいのおおきさに感じた癌細胞は、
実際は、直径1.8センチになっていました。
検査結果が出て、乳癌の告知。
その日のうちに、手術日を決めて病院を後にしました。
帰りの道で、これから家族にどう話すのか。
息子達はふたりとも受験と就職試験が控えている時でもありました。
夫に告げて、一緒に泣いた夜。
息子達にも、どうしてもウソをつくことができず告知。
このことで動揺せずに、受験でやることをやりなさいと、
不自然なほどに明るく強く言った、という記憶があります。
最初は温存手術をすすめられ、そのとおり手術しましたが、
手術後に断片陽性ということで、1か月後にふたたび全摘出手術を受けたのです。
短い期間に2回も手術をしなければならず、こころも身体も負担が大きかった。
でも、少しでも残そうとしてくれたお医者さんにはとても感謝しています。
ここからが、たぶん、北斗さんと違うところです。
わたしの場合は、夫とふたりでよく話し合い、相談し、
手術後の抗がん剤とホルモン療法を受けることを拒否。
お医者さまに見放されても抗がん剤を受けることを止めました。
リンパ節転移しているのに、抗がん剤をやらないなんて・・・・・
どこに転移しているかわからないんだよ、と。
これはあまり人には話していませんでした。
5年前にテレビでお話したときは話さなかったことです。
誰かがこれに影響を受けて、抗がん剤をやめたり、
よく考えずに選択してしまう可能性があるからです。
今日ここで話すことは、正しいことではないかもしれません。
ひとりの女性の、とある選択という程度で受け止めてほしい。
抗がん剤をやめた理由。
抗がん剤を投与すると、
乳癌の再発率は減るけれど、
もう一個の残された乳房の発がん率が上がると言われたからです。
それでも再発よりは確立が低いからと。
これにはどうしても納得できず、
自分の身体の声を聴き、
何度も何度も考えて、
抗がん剤を打つことを断念。
ある意味、再発することを覚悟の上でした。
医者さまに逆らうのですから、それなりの覚悟が必要でした。
あれから5年。
幸いなことに再発はしていません。
ただ幸運だっただけです。
でも、覚悟していることに変わりはありません。
それが選択するということだと思っています。
抗がん剤に代わる納得できる他の治療はまだありませんが、
日々、やりたいことに前向きに挑戦して生きています。
いまごろ、北斗晶さんの手術は終わった頃でしょうか。
手術後、治療を終えて、元気な姿で戻ってきてくれることを祈っています。
こころから応援しています。
長くなってしまってごめんね。
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