今年の
4月29日にオープンした
中國料理「卓味」さんへ。情報誌やテレビなどはまだ来ておらず、あまり知られていない
穴場な新店です。知人からの口コミで超美味しいと聞きやってきました。札幌は中華の店が少ないと言われていますが、結論ここは本当に美味しかったので力説させていただきます♪カウンターでいただける中華のコース料理は想像を超えて絶賛に値するものでした。
場所は大通西15丁目のビルの1階。地下鉄東西線西18丁目駅から徒歩4分。駐車場はありませんがすぐ横にコインパーキングがありますので便利。
中華料理には珍しくオープンキッチンの店。シェフの鍋振りが目の前で見られるのも貴重です。
本田卓也シェフ60歳。本田さんは小樽出身。札幌の光塩調理製菓専門学校にて中華料理の先生として22年間勤めて今年退職。長年の夢だった自分の店をオープンさせました。65歳の定年まであと5年でしたが65歳で独立するのは体力的に厳しい。それなら今だと一念発起。60歳の挑戦となったのです。
22年間の教師生活で卒業していった生徒達は延べ5000人以上。全国に生徒達が羽ばたいていきました。22年間の想い出は何にも代え難い心の財産だと言うシェフ。「本田先生おめでとう!」というメッセージをたくさんいただいたそう。全国から生徒達がお客様として会いに来るのです。
これいい写真でしょ♪
本田シェフをサポートする奥様。夫婦二人三脚で頑張っておられます。「最初は夫が60歳でお店を持つことに反対しました」という奥様。確かに体力面が心配。(私達も同じ年代なので分かるのです)でも夫の熱意で一緒にやっていくことを決意したそう。結婚して35年という夫婦の呼吸が合っている瞬間を撮影。
お店の中はカウンター6席と個室テーブル席があり、清潔感のある空間。
個室は2つありますが、仕切りを外せば10名様の大きな個室に変身♪
料理はコースのみ。おまかせコース8000円と12000円のコースがあります。ゆっくり少しづつ出てくるので2時間ほどかけてゆったりと楽しめます。私達は8000円のコースをお願いしました。
前菜
★大連産クラゲの酢の物マスタード風味
★広東風チャーシュー
★牡蠣の煎り焼きはちみつ風味
★絹豆腐のスパイシーソルト揚げ
★滝川産合鴨の醤油煮八角の香り
大連産クラゲの横にあるのはオカワカメ。使う食材は北海道産はもちろんのこと全国の美味しい食材を使い、そして中國からも取り寄せるというこだわりぶり。化学調味料は一切使わず、調味料も手作りしています。
お酒のメニューもいろいろありました。ここでは老酒などを注文するべきなのでしょうが、今日は暑くてスパークリングをボトルで注文。ボトルでも2530円とリーズナブルです。ちなみに飲みきれない場合は持ち帰りも可能。
老酒は紹興酒とは違うものなんですね。紹興酒は中国の紹興市で作られる老酒のことだそうです。つまり生産場所の違い。シャンパーニュ地方でなければシャンパーニュと呼ばない事と似ています。次回は中国にどっぷりはまって老酒を飲んでみたい♪
ワインもグラスで楽しめる。ボトルもリーズナブル。
ビール、ノンアル、焼酎、梅酒、ハイボールもあります。
カウンターの前にあったのは泡盛。本田シェフの教え子が沖縄で泡盛をつくっていて開店祝いにと贈ってくれたものだそう♪ラベルまでオリジナルで素敵。
作っているところを見ることが出来るオープンキッチンにしました、と語る本田シェフの笑顔が印象的。手際を見ているだけで伝わるこの臨場感!まるで中華の料理ショーみたい。そしてシェフの温厚であたかい人柄に癒されます。教え子たちがたくさん来るのも分かりますね。
干し貝柱入りふかひれのスープ
このスープがこれまた美味しい。豚ガラ、豚肩肉、鶏ガラ、鶏一羽まるごと、牛すね肉、野菜を4時間コトコトと煮込んで作る。フカヒレの繊維は太く大きいものだと分かる。もちろん、うまみ調味料などの科学的なものは一切使っていない。
海老の炒め物豆鼓風味・海老春巻添え
濃厚でプリプリの海老にディルをのせて。ソースは豆鼓とピーマンが香ばしい。パリパリさくさくの春巻きは、海老の香りがはっきりと沸き立つ温度の良さ。スナップエンドウの粒の大きいこと。
「器はビビッときたものを直感的に選んでいます」と語るシェフ。
オホーツク海産オヒョウの刺身彩り野菜添え
これも面白いんです。オヒョウの刺身と紅心大根やネギ、人参にラッキョウ、レモンの皮などをよく混ぜてから雲丹をのせて。
混ぜて混ぜて~♪
そのうえに雲丹をのせて~♪野菜がシャキシャキで冷えていて美味しい。そこにしっとりしたオヒョウがポイント高いです。混ぜて食べても、それぞれの食材の味が独立してはっきりと分かる。
十勝和牛サーロインの軽い煮込み麻辣風味
A4ランクの牛肉を使用しています。熟成豆板醤がこれまた刺激的で旨い。豆板醤は通常は半年熟成なのが一般的ですが3年熟成の豆板醤を使用しているそうです。広東味噌とブレンドして濃厚な味わいに。広東料理は香港が世界一。その料理をいただけるのは極上の楽しさ。
見て見て♪このA4ランク十勝和牛。やわらか~~い
続いて出てきたのは、滋養強壮スープ
ナツメ・ハスの実・豚すね肉を2時間蒸したスープは香りを楽しむ一品。豆のような雑穀のようななんともいえない自然な良い香りがするんです。2時間分の香りを閉じ込めているからフタを開けてすぐ香りを楽しんでくださいと嬉しそうに語るシェフ。広東ではとにかくスープをよく食べる文化があるそう。シェフの言う通り翌日は体調が良かった。すごい。
広東腸詰の炒飯
なんと!実にパラパラなチャーハンです。広東腸詰(ラプチョン)とは広東の伝統的なソーセージのこと。香ばしい旨味が濃く、はっきりとした味わいが楽しめる。どことなく花のような香辛料の香りが鼻を抜けて実に美味しい。ちなみに蘭越米を使用しています。
最後は特製マンゴープリン・白玉団子入りココナッツミルク
コースが終わってしまうのが寂しいと感じるほどでした♪温度、バランス、タイミングなどすべてが満足させていただけました。本当にありがとうございました。
私達が最後のお客だったので、帰り際に丁寧に挨拶してくださり有り難かったです。同世代ということであまり無理せず、お互い仕事も人生も楽しみましょうね(笑)。
ちなみに隣接のコインパーキングが便利です。あ、わたしはワインをいただきましたが、夫が運転手になってくれました(笑)「俺はいつも運転手・・・・」と小声でつぶやく夫♪ありがとう♪いつも感謝しています(笑)。
中國料理 卓味(たくみ)
札幌市中央区大通西15丁目3-12
地下鉄東西線西18丁目駅から徒歩4分
予約電話番号 011-699-5693
営業時間17時半~22時まで(最終入店20時)
定休日 水曜日・第二第四木曜日