江戸時代の寿司屋台とは?昨日の『意外と知られていない寿司の歴史』のお話の続きです。
ちょっと、想像してみてください。
活気のある当時の江戸の町。
砂利みちに響く雪駄(せった※当時の履物)の音。
風呂あがりに、ちょっと小腹がすいて、
風呂屋の前にある寿司屋台に入って、2~3個の寿司をつまむ。
このときにちょっと問題が。
当時はおしぼりなんてありませんから、
そのままで寿司をさわるとシャリがくっつく。ということです。屋台ですから手を洗えません。
では、どうしていたのか?
ここで
ガリの登場です。
ガリとは皆様もご存知のとおり、握り寿司の横に必ず添えられる
しょうがの甘酢漬けのことです。
当時は
ガリがおしぼり代わりでした。
指にシャリがくっつかないようにと、当時の人が考えた知恵です。
ガリで指を濡らしながら、お寿司を食べていたのです。
醤油(むらさき)はどうしていたのか。
当時は小皿に入れるなんてことはしません。
屋台ですから水をいちいち出せないので皿洗いができません。
そこで、むらさきは、はけで一塗りするようになりました。
今でもはけで醤油を塗りますが、その名残と考えられています。
何個かの寿司をつまんで、最後にお茶を飲んで終了。
それがアガリですね。
そして最後に。
お客はのれんで指をふいて帰りました。今の時代から言えば、キタナイと思われがちですが、
そんなことはありませんでした。
なぜなら、
のれんが汚い店は美味い店!だったのです。つまり汚ければ汚いほど大繁盛!
実に面白いお話です。
当時はもちろん、殺菌などできません。
ですから、ガリ、わさび、酢などで、天然の消毒をしていたのです。
初期の江戸前寿司には、
生魚はありません。海老は茹でる。マグロはヅケ(醤油漬け)。穴子は煮る。
イカは湯通し。冷蔵庫の無かった時代に生の寿司はできません。
生の寿司が登場したのは極最近のことなのです。
現代の寿司屋に、
のれんと、屋台を思わせるカウンターがあるのは、
当時の名残といわれています。
当時の江戸庶民は、どんな話をして屋台に立っていたのでしょう。
こればかりは、想像ですが、江戸庶民の楽しそうな笑い声が
聞こえてきそうな気がしますね。
鮨処いちいは札幌の小さなお寿司屋さんです。このお話を知らない寿司職人さんが
いないとも限らないので、寿司屋に行って質問しない方がいいかも。(笑)知らなかったら気の毒なので・・・・許してあげてね。
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コメント
YUKA
お寿司の歴史の続きが楽しみにしておりました*^^*
ガリがおしぼり代わりだっただなんて!びっくりですね~
てっきりお口直しでいただくのだとばかり思っていました^^
確かに酢は殺菌作用もありますものね~
ガリ、そしてむらさきにしても、昔の方の知恵が生かされてるのですね*^^*
素敵なお話ありがとうございました♪
2006/01/28 URL 編集
→yukaさんへ
今、そんな寿司屋があったら訴えられそう(笑)
意外と知られていないお話。少しだけ記憶に
とどめておいてくださいませ。
今日のyukaさんのメニューは何かな~~?
2006/01/28 URL 編集
通りがかりのものですが…
断定的に書くのもいいですが、ちょっとだけ調べてみてはいかがでしょうか?
まぁ、違っていたからといって大問題ではないですが。
2006/06/20 URL 編集
→コメントありがとう!
そうかもしれませんね。断定的にかくといけないので
修正しました。
2006/06/20 URL 編集
とり三重
まだ、多くは読んでいませんが、興味深く拝見しています。
当方の記事にリンクさせていただきました。
これからも寿司記事、楽しみにしています。
2007/06/10 URL 編集
漬物小僧
ガリがおしぼりって事は、当時は食べ物として捉えていなかったのでしょうか?また、一年間おしぼりとして提供できるほどの生姜の収穫量が当時あったのでしょうか?でなければ、すし屋においてガリ以外の定番漬物なんて他にあったのでしょうか?
おかみさんのブログ、私のブログにリンクさせてもらってもいいですか?
2008/02/28 URL 編集
寿司屋のおかみさん小話
コメントありがとうございます。
詳しくは、図書館などの文献を調べてみてください。
面白い本がたくさんありますよ♪リンクフリーです。
2008/02/28 URL 編集