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寿司屋の修行 第20回 銀シャリ

シャリ


寿司屋の世界では

シャリのことを『せんまつ』と言う

江戸のシャリ炊き名人が『せんまつ』という名前だったことから
こう言われるようになったそうだ


せんまつの修行は
先輩のシャリ切りを見ることから始まる
『見させていただきます。』
説明などしてもらえる世界ではない
見せてもらえる10日間ほどの期間のなかで技術を盗むのだ

そしてある時
やってみろと言われる

『せんまつ勉強させていただきます!』と挨拶し
炊きたてのシャリを飯台に乗せて酢をかける

上から下に落ちていく酢を
下からすくい上げて混ぜていくのだ
ここで8割は混ざっているので
あとの2割でヘラを入れていく

手早くヘラを入れて
均一にシャリを広げ うちわで扇ぐ
急に冷めていくことでシャリの水分が飛び
酢が染みこんでいくのだ

とりあえず出来上がった初めてのシャリ

『手際が悪い』
『粘りが強すぎる』
『ヘラ数が多すぎる』
先輩がアドバイスしてくれることは
大変ありがたいことだった

こうして、一回に2升の米を1日6回炊き上げてシャリを作っていく

『最高だと思う銀シャリが炊けるのは、1年に一度あるかないか。
それが出来たら、次にもっと旨いシャリを目指していくんだよ。』




小学生の時から
飯炊きをしていた彼の手

その手が おいしいシャリの秘密かもしれない











★寿司屋の修行は、カテゴリー板前と修行の世界で連載しています。
★みなさまへの御礼↓お時間のある方は是非読んでください。(*^_^*)

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| 板前と修行の世界 | 09:12 | comments:23 | trackbacks:0 | TOP↑

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寿司屋の修行 第19回 どん底の酒

ギョク



一週間寝ずに 酒を飲み続けたことがある


朝から晩まで働いた後
スナックで朝まで酒を飲み
一睡もせず仕事すること一週間


自分が倒れたことに気が付いたのは
寮の狭いベットの上だった


包丁研ぎ
シャリ切り
握り

仕事のすべてがうまくいかず
毎日が同じことの繰り返しで進歩も見えない
ただ 苦しさばかりが募っていく

孤独を酒で紛らわせる日々


先輩は何も言わず
ただ黙っていた


『疲労がピークに達したとき
不思議なことに ハッキリと決心がついたんだ

前にも進めない 後ろにも戻れないようなドン底でも

歩いてさえいれば
生きてさえいれば
なんとかなるものだ

その姿がブザマでも かっこ悪くてもいい 』




この時のドン底の酒は
彼にとって決意の酒となった



酒を覚えたばかりの ある冬のこと










この話は、カテゴリー板前と修行の世界で連載しています。


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| 板前と修行の世界 | 09:30 | comments:23 | trackbacks:0 | TOP↑

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高校生の喫茶店〜28年前の思い出

広い広い場所に、ひとつだけ咲いていたの。


これは大将が15歳、高校一年生の頃のおはなしです。


当時、彼の母親は、
3人の子供を育てるために喫茶店を営んでおりました。

毎日やすむことなく働き続ける母親に
何かしてやりたいと思ったのでしょう。


ある日の日曜日


『おふくろ、今日は仕事休んでいいよ。
俺が店の番をしていてやるから・・・・』


毎日のように家族のご飯を作っていた彼は、自信たっぷり。
心配する母親を説得しました。


でも、これからが大変だったのです。


高校生ひとりしかいない喫茶店


そこへひとりのOLさんが入ってきました。
『おにぎり定食ください』
『はいっ!』
とっても一生懸命作りました。

しかし、口に合わなかったらしく、
そのOLさんは無言で食べ、無言でお金を払っていったそうです。


次に、タクシーの運転手が入ってきました。
『しょうが焼き定食ひとつ。』
『はいっ!』
これも、一生懸命作りました。

それを席へ運んだ時


ガッシャ〜〜ン!!


テーブルに置いた瞬間に、全部ひっくり返してしまいました。

『す、すみません』

焦ってテーブルを拭いているとキッチンから煙が!
あわててコンロの火を消しに行きました。


タクシーの運転手は、再び作った生姜焼き定食を食べ
お金を払って出て行くまで、ずっと無言だったそうです。





『 みんな、無言だったなぁ・・・・・(笑)

でも、やってみれば何とかなるさという

あの時の経験が、どんな勉強よりも役に立った。

たとえ失敗しても、

挑戦しようと思ったその根性だけは、

今も生かされているんだよ。



失敗と後悔がたくさんあってはじめて、人生を生きたと言えるんだ。』








★ 『今日のお昼は何を食べましたか?』のsayupapaさんと札幌☆ごはんのsinnkonnさんとmtc札幌ガイド日記のmtcさんとEru's cafeのエルさんが揃ってオフ会で御来店されました。ありがとうございました〜〜!皆さんの会話に涙・・・・。

| 板前と修行の世界 | 08:13 | comments:17 | trackbacks:0 | TOP↑

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寿司屋の修行 第18回 弱音

シャリを入れる御櫃




高校を卒業してすぐに
寿司屋の修行に入った彼は

想像とは違う世界に愕然とする


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| 板前と修行の世界 | 09:01 | comments:21 | trackbacks:0 | TOP↑

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寿司屋の修行 第17回 包丁と気合

包丁は、職人の命


寿司屋が包丁で指を切ったらどうするのか

その手でシャリを握ることなど許されない


刃物を扱う仕事には
怪我が絶えないものである

何度も怪我を繰り返しながら
刃物の扱いを覚えてゆくのだ


大将17歳の修行時代
慣れない包丁さばきで
はじめて指を切った時のこと

ポタポタとしたたる血を見ながら
先輩が叫んだ

『気合で止めろ!』 

信じられない話だが
これが出来るようになっていく




私は一度だけ
大将が指を切ったのを見たことがある

かなり深く切っているのに
『大丈夫。今、とまる』


まもなくすると本当に傷口がふさがってしまうのだ


これも職人技である



ごつごつして傷だらけの
ひたすら頑張る大将の手



たくさんの人の胃袋を
美味しく満足させる寿司職人の手なのだ



わたしはその手をじっと見て
今日もまた感謝をする











寿司屋の修行の話はカテゴリー板前と修行の世界で連載しています。

| 板前と修行の世界 | 08:56 | comments:26 | trackbacks:0 | TOP↑

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